要介護度と認知症症状の関係

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要介護度と認知症症状の関係

要介護度の区分

介護認定の訪問審査では、出来ることなら必ず普段の生活を共にしている家族の方、日頃介護する側として接している方が立会うことが重要です。

人の心の中にはプライドや自尊心があります。認知症の人・軽度認知症の人の中にはできないこともできる、と言いだすこともあります。審査員との会話を理解しているようでしていない、ということも考えられます。

できないのにできると答えてしまったことが審査票に記述され審査が進んでしまっては大変です。例えば、問答で答えないことでも以下のようなことが考えられます。

  • 1日1回は下着を汚してしまうことがあるが、「トイレには自分で行けています」と答える(少ない回数だが失敗することがある)。
  • 一人で着替えをできると答えたが、洋服の置き場がわからない。ボタンの掛け間違いやシャツ・セーターの着る順番を間違えることがある(着脱はできるがちゃんと身支度はできない)。
  • お風呂に一人で入れると答えたが、実際はシャワーの出し方、洗髪が自分ではできない。
  • 食事ができると答えたが、箸やスプーンを自分で用意することができず、また食べこぼしが多い。

ありのままの状況(レベル)を調査員に伝えなくてはなりません。
家族の人がどのような時・どのような場面で対応に困ることがあるのか、負担が大きいのかをアピールして下さい。そして、「○○なりそうで怖かった」「△△してしまうかと思いひやひやした」というように、未遂に終わったことでも、伝えて下さい。今後考えられる危険予測として伝えると考慮されるポイントになります。

ご家族のことですから言いづらいこともあるかもしれません。本人の前で言いずらいことなら、本人がいない場で介護者(家族の人)から見た認知症の人の様子や状況・どのように接しているか話してください。

認知症と介護認定

認知症の症状は誰もが同じと言うこともなく、記憶障害や身体的障害が比例して悪化していくと決まってもいません。認知症ではあるが、他の大きな病気もなく、入浴・トイレ・食事といった生活全般の動作や、歩く筋力も安定しているというような人も多くいます。軽度認知症の人にも多く、見た目でも認知症の人ということは判断できません。

しかし、認知症の症状は進行します
私たちから見ると、一般常識の感覚がずれてきた、あれ?と思うような言動や行動が見えることが多くなることです。

記憶障害も進み、過去の出来事を今のことのように持ち出してくることがあるかもしれません。身体的には自立しているが、介護を要する認知症の人です。しっかりとした訪問審査や主治医意見書をそろえ認定審査を行わなければ、実際よりも軽い要介護度認定が下りてしまうこともあるのです。

実際、要介護度が下りたが充分な(求める)サービスが受けることができないと本人や家族の苦労感は増しますよね。要介護度とはどれだけ介護の手を必要とするかの基準です。

【要支援・要介護の区分参考】

要支援1
(社会的支援を要する状態)
排泄や食事等、日常生活の動作はほぼ自立しているが、一部(身だしなみ、居室の清掃等)に何らかの介助が必要なことがある。
立ち上がったり片足で立ったりするなどの複雑な動作には、手助けが必要なことがある。
要介護状態になることを予防するための、少しの支援が必要である。
要支援2
(社会的支援を要する状態)
要支援1よりも、日常生活の動作を行う能力が少し低下しているが、排泄や食事等は、ほぼ自立している。
歩く、両足で立つ等の移動の動作に手助けが必要なことがある。
問題行動が見られたり、理解力の低下が見られる場合もある。
介護サービスの利用により、現状維持または改善も可能と思われる。
要介護1
(部分的な介護を要する状態)
要支援2と比べると、排泄や入浴等に一部介護が必要になってくる状態。
立ち上がったり歩いたりすることも、不安定である。
<認知症の状態>
「物忘れ」などがみられることがあるが、それ以外の問題行動はほとんどない。
要介護2
(軽度の介護を要する状態)
身だしなみや居室の清掃等、身の回りのこと全てに介助が必要。
立ち上がったり歩いたりすることに、介助が必要になる。
排泄や食事等に介助が必要になってくる状態。
<認知症の状態>
「毎日の日課」や「直前に何をしていたか」の記憶が怪しくなる。
「物忘れ」や「まわりのことに関心がない」という様子がみられることがある。
要介護3
(中度の介護を要する状態)
身だしなみや居室の清掃等、身の回りのこと全てができなくなる。
立ち上がったり歩いたりすることが、自分ではできなくなる。
排泄、食事、入浴等は全て介助が必要。
問題行動や理解力の低下が、さらに目立ってくる。
<認知症の状態>
「毎日の日課」「生年月日」「直前に何をしていたか」「自分の名前」の記憶があいまい。
「物忘れ」や「まわりのことに関心がない」ほか、「昼夜逆転」「暴言・暴行」「大声を出す」「助言や介護に抵抗する」といった行動がみられる。
要介護4
(重度の介護を要する状態)
要介護3に加え、日常生活の動作の能力がいっそう低下し、介護なしでは生活できなくなる。
自分で排泄することが、ほとんどできなくなる。
<認知症の状態>
「尿意」「便意」がみられなくなる。
「毎日の日課」「生年月日」「直前に何をしていたか」「自分の名前」忘れることが多い。
「物忘れ」や「まわりのことに関心がない」ほか、「昼夜逆転」「暴言・暴行」「大声を出す」「助言や介護に抵抗する」「屋外への徘徊」「火元の管理ができない」といった行動が増えてくる。
要介護5
(最重度の介護を要する状態)
生活全てにおいて、介護が必要な状態。
排泄だけでなく、食事もほとんどできなくなる。
意思の疎通が困難になる。
問題行動が多くなり、理解力は全般的に低下する。
<認知症の状態>
「意志の伝達」がほとんど、あるいは全くできない
「毎日の日課」「生年月日」「直前に何をしていたか」「自分の名前」が全く判らない。
「物忘れ」や「まわりのことに関心がない」ほか、「昼夜逆転」「暴言・暴行」「大声を出す」「助言や介護に抵抗」「外への徘徊」「火元の管理ができない」といった行動が多い。

【要介護度の参考サイト】

認知症の症状:要介護度の区分